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作曲家別交響曲ランキング

クラシック音楽の交響曲を作曲家別にランキング.
聴く曲を選ぶご参考にしてみてください.

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音符 メンデルスゾーン交響曲ランキング 音符


メンデルスゾーンの交響曲5曲からベスト3です。

メンデルスゾーンの交響曲の番号にはいわくがあり、実は作曲順に番号をならべると第1番、第5番、第4番、第2番、第3番となります。そんなことになった理由は出版順に番号付けをしてしまったせいなのですが、現在も番号については変更されず使用されています。
 出版順については出版者の責任というよりも、メンデルスゾーンがなかなか曲の出来に納得がいかず出版の許可を出さなかったためらしく、「夭折した天才」という印象の彼も、実際は各曲を丁寧に仕上げた職人気質な面があったことを窺わせます。

メンデルスゾーンは、形式的には古典的な形に拘ったようで、新しい工夫を加えることよりも各曲を旧来の形式の中で磨き上げることに価値を見出していたようです。そのために音楽としてのエレガントさや格調が際立つ作品を残したと言え、それが交響曲にも如実に表れているわけでしょう。


以下、ランキング順に各曲の簡単な説明とおすすめCDのご紹介をしていきます。


音符第3番 イ短調 「スコットランド」音符

メンデルスゾーンについてイメージされている、憂愁、優美、上品といったものが結実した感のある交響曲です。旋律的に我ら日本人もどこか郷愁を感じるところがあるはず。紛うことなき一位です。彼がスコットランドに旅行した印象に基づいて作曲されましたが、作曲には10年以上を費やしました。

全楽章を連続して演奏するのが、彼の作品の割には新機軸です。また冒頭の旋律のモチーフが元に、第1楽章、第2楽章、第4楽章終結部のテーマが派生していることも全体をまとめることに繋がっています。

第1楽章は、ゆっくりとした哀愁この上ない旋律の序奏で始まります。時折感情が発露するような動きをみせながら主部に入ります。第1テーマは明らかに序奏の旋律から派生しており、第2テーマの対旋律としても現れます。第2テーマが通常のソナタ形式とは異なり、並行長調ではなく属調(ホ短調)であることも特徴で、そのために短調で覆い尽くされた哀愁がいや増すわけです。最後に序奏の旋律が復帰して静かに次楽章に移ります。
 第2楽章は、スケルツォ的な位置付けの楽章(しかし拍子は4分の2拍子)。弦楽器のトレモロに導かれて、いかにもスコットランド的なテーマが管楽器で現れます。この楽章はこの交響曲の中でも明るさ楽しさの点で秀逸ではないでしょうか。形式的にもソナタ形式でがっちりしています。
 第3楽章は、イ長調でひとときの安らぎを感じさせます。心を包み込むようなテーマが中心ですが、中間部はイ短調で不安と慟哭を表現するような曲調になります。
 第4楽章は、激しいテーマによる主部と重厚な終結部で出来ています。”ガタン”という感じで前楽章の雰囲気をかき消すように始まり、複付点音符で引っ張るような第1テーマが登場します。この楽章でも第2テーマは属調のホ短調です。終結部はまるでスコットランドの民族楽器バグパイプの合奏を思わせるような重厚なイ長調の響きとなり、交響曲冒頭の旋律が長調になって全曲を荘重に締めくくります。

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音符第4番 イ長調 「イタリア」音符

イタリア旅行中に着想を得たこの曲は、聴けば間違いなく元気が出る曲であり、彼の曲の中でもヴァイオリン協奏曲と共に最も有名なものです。22才から24才の時に作曲されているためでしょう、まさに若い希望に満ちた気分にあふれています。ただやはり完成度という点で僅差で2位になりました。

第1楽章冒頭の管楽器の正確な刻みの上に、イタリアの抜けるような青空を思わせるような明るい飛び跳ねるような第1テーマがヴァイオリンで歌い出されるところ。聴き手の心をがっちりつかみます。音楽の風景画家と呼ばれるメンデルスゾーンの面目躍如といったところでしょう。一度聴いたら忘れられないキャッチコピーのようなもので、イタリアという国の最高の表現ではないかと思います。
 第2楽章の巡礼の歩みのような敬虔さ、第3楽章の流暢な舞曲を経て、最終楽章がイタリアの民族舞曲のサルタレロとなっており、主調ではなく同名短調の激しい曲で終わるのもなんとも良く出来ています。

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音符第5番 ニ短調 「宗教改革」音符

実際には第1番の次に作曲されたもの。ルター派信者であったメンデルスゾーンがルター生誕300周年祭のために作曲したのですが、そこでは演奏されませんでした。彼がユダヤ人であったことが問題とされたためとも言われています。
 またこの曲の出来がなかなか自分で納得行かなかったために生前は出版を許しませんでした。

彼が納得できなかったことも理解できるような気がします。全体に大雑把で雑な印象を受けます。宗教的な意味合いをコラールや賛美歌を取り入れた分、彼の繊細さという特長が失われているようです。

第1楽章は、序奏付きのソナタ形式です。序奏はニ長調で低音から湧き上がる敬虔なモチーフから始まります。コラール的なフレーズで厳粛な雰囲気にもなり主部に入ります。主部はニ短調。彼らしからぬ大またな第1テーマと、ちょっと短調に傾くようなイ長調の第2テーマで成っています。展開部では序奏でのコラール的なフレーズも現れます。
 第2楽章は、スケルツォ。変ロ長調で、民謡風な雰囲気のある跳び跳ねるようなテーマに基づいています。中間部はト長調で伸びやかな雰囲気になります。
 第3楽章は、緩徐楽章ですがト短調で時間的にも短い悲歌的な曲です。ちょっと物足りない感じ。
 第4楽章は、ト長調の序奏で始まります。旋律はルターが作曲したとされるコラール。これが盛り上がりながらテンポアップしていくと、豪壮なニ長調の主部に入ります。この第1テーマが分散和音の上昇でメンデルスゾーンのわりには単純過ぎる感じ。対位法が使われるちょっと古風な経過部の後に管楽器を主にしたファンファーレ的な第2テーマが現れます。最後には序奏のルターのコラールを強奏して全曲を閉じます。

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それにしても、番号順と作曲順が違うことは鑑賞者には混乱するところもありますが、各楽曲を独立したものとして味わうことが一番のようです。なお、若い時に作曲した第1番、声楽が入る第2番「讃歌」については、メンデルスゾーンに興味を持たれた方に委ねたいと思います。