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作曲家別交響曲ランキング

クラシック音楽の交響曲を作曲家別にランキング.
聴く曲を選ぶご参考にしてみてください.

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シューベルトの交響曲からベスト5です。

実は、シューベルトの交響曲の番号付けには混乱の歴史がありました。第6番までは確定していたものの、その後に作曲された未完成のものやスケッチだけのものも数に入れたりしており、それでも「未完成」は第8番、「ザ・グレート」は第9番とつい最近まではされていました。しかし、国際シューベルト協会が検討の結果1978年に今の番号に確定しました。未だにアルバムでは混乱していることがあり、その場合は副題と調性で区別するしか無いのが現状です。ここでは国際シューベルト協会の番号に従います。

シューベルトは生来歌謡性の高いメロディーメーカーであったのですが、やはり尊敬するベートーヴェンを目指していたらしく、構成的にきっちりとした交響曲を目指していたようで、それは第8番「ザ・グレート」に顕著に表れています。しかしここではやはりシューベルトらしい曲がランキングでは上位にしています。やはりロマンティックさが彼には似合います。


以下、ランキング順に各曲の簡単な説明とおすすめCDのご紹介をしていきます。


音符第7番(旧8番) ロ短調 「未完成」音符

この曲は間違いなくシューベルトの音楽性が結晶化した名曲です。ダントツの一位。「未完成」というニックネームが一番気になるところですが、第3楽章を途中までつくって止めており、そこには何らかの意図があったのではないかとされています。曲を聴けば、第2楽章での完結性も納得できるところであり、これで完成形だといえるでしょう。調性が主調で終わらないとしっくりこない方がいらっしゃるかもしれませんが。

一つのモチーフ、「ラ・シ・ド(長調ならド・レ・ミ)」が中心になっており、その上昇音形が繰り返されることで作品全体をロマンティックな憧れの気持で包み込んでいるようです。

第1楽章の始まりに耳を傾けて下さい。低音弦で先のモチーフが現れます。やがて弦楽器の刻むリズムにのって木管楽器の哀愁を帯びた第1テーマが奏されます。そしてそれを受け止める溜息のようなホルン。その美しさ。盛り上がって強い和音で一段落つくと、長く伸ばした音に導かれて波打つような第2テーマがチェロに現れます。これらの材料を使って、先のモチーフをリフレインしながら曲は進行します。最後は毅然として曲を閉じます。
 第2楽章は平和的なホ長調の緩徐楽章。また例のモチーフで開始され、そこにヴァイオリンのゆったりとしたテーマが重なります。これをシューベルトらしいメロディアスに展開し、時々激しい熱情的な部分を挟みながら儚げに美しく曲は進みます。最後の平和的に落ち着いた終わり方。これで終わってこの交響曲は正解でしょう。

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音符第5番 変ロ長調音符

「未完成」がある意味憂いを含んだものであるのに対して、この曲はシューベルトの明るい面が素直に表れているといえます。
 トランペット、トロンボーン、ティンパニが省かれ、さらにクラリネットも使われない小編成であり、その分激しさや力強さはありませんが、室内楽的でやわらかい羽毛ような響きになっています。BGM的に聴いても快い佳曲。

全曲の動機的な統一感というよりも、全体を通したスタイルや雰囲気でまとまりを感じさせるもので、ここも交響曲的というよりは室内楽的な面が表れています。

第1楽章。木管楽器の柔らかな和音と、弦楽器のせかせか駆け下りるような導入から始まるのが飛び跳ねるような明るい第1テーマです。山びこのように低音で繰り返されるのがなんとも楽しい。この雰囲気が全体を包み込んでいます。
 第2楽章は同じ雰囲気を引き継いだ穏やかな緩徐楽章。第3楽章こそト短調でありますが、それもあまり深刻な感じではありません。
 第4楽章はまた楽しげな曲調に戻った快速なフィナーレです。楽器で歌い継がれてゆくシューベルトの美しい旋律の数々を是非楽しんでください。

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音符第8番(旧9番) ハ長調 「ザ・グレート」音符

「ザ・グレート」、あるいは第6番ハ長調との比較で「大ハ長調」と呼ばれるシューベルトのまさに壮大な交響曲。時間的にも1時間近くかかる大曲です。「天国的な長さ」とあのシューマンは評しました。
 これだけの曲にも関わらず、シューベルトの生前には演奏されることはありませんでした。シューベルトの死後に、彼の兄によって保存されていた机から、シューマンが総譜を見つけて非常に驚いて実際に演奏されるように手を尽くしました。それをきっかけに世に知られるようになったのです。

師と仰ぐベートーヴェンの境地に近づこうと、緊密な構成や動機の徹底的展開など、完成度の高い交響曲を目指したのがよくわかります。しかし、そのために「シューベルトらしくない」面も多くみられるのも事実。この曲で愛されるいのは、やはり旋律の美しさ・ロマン性であるのですから。そういう面でランキングは3番目になりました。

第1楽章は、序奏付きのソナタ形式です。最初にホルンで吹かれるフレーズが特徴的。これが美しく受け継がれていき、だんだん付点リズムが入って盛り上がってくると3連符も入って活発になります。そして加速して主部に入って、跳ねまわるような第1テーマが登場します。彼の割りにはつっけんどんな感じ。これが少しずつ発展すると急にホ短調に転調して刻むような第2テーマが現れます。シューベルトらしい少し長めのコデッタで提示部を終了します。展開部では第1テーマと第2テーマが組み合わされて展開し、緊張した響きの3連符で頂点を迎えます。静かに第1テーマが復帰して再現部となり、最後は序奏のホルンのフレーズが強奏されて力強く曲を閉じます。
 第2楽章は、アンダンテ・コン・モートのまさに歩く感じのイ短調の緩徐楽章。低弦のフレーズに導かれてオーボエがなんともメランコリックな第1テーマが現れます。これと夢見るようなイ長調の第2テーマを挟みながら進行すると、ヘ長調の中間部に入ります。ゆっくり下降する優美な中間部テーマとそれに続く妖精が飛び回るような楽しい旋律。シューベルトの歌にただただ浸りましょう。やがてメランコリックな部分が戻ってきて曲は終わります。
 第3楽章は、スケルツォ。ガサガサしたテーマを中心にした主部と舞曲(レントラー)風な中間部との対比が面白い。ただちょっと長く感じるのも事実。
 第4楽章は、1000小節を越す大フィナーレ。ただ急速な4分の2拍子(1小節に1拍の感じです)なのでそれほど長さは感じさせません。この楽章は弦楽器が3連符を弾きまくるので演奏者には難所として有名。呼びかけるような付点リズムに3連符の応答をする序奏を経て、イ短調とハ長調の中間的な力強い第1テーマが現れます。それがまた楽しげに確保されると、2分音符の単調なリズムになって第2テーマが低弦のピチカートにのって静かに奏されます。この第2テーマは展開部や終結部では激しいものに変容して曲を盛り上げます。第1テーマは再現部では変ホ長調で現れるという工夫などを散りばめつつ、弦楽器が3連符の連続で必死に弾きながら長めの終結部を経て、やっと歩みを止める形で華やかに断定的に全曲を終了します。

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シューベルト:交響曲第9番≪ザ・グレイト≫

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音符第4番 ハ短調 「悲劇的」音符

「悲劇的」はシューベルト自身が名付けた副題です。この副題といい、ハ短調という調性といい、ベートーヴェンを意識して作曲したのは明らかです。特にベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」を意識したと思われます。
 19歳だったシューベルトのこれからの人生の決意を表しているようで、曲想に練りは浅いところがありますが、青春の魅力が感じられます。

第1楽章は、まさに悲劇的なゆっくりした序奏で始まります。やがてテンポが速まって悲しみが疾走するような第1テーマで主部になります。第2テーマはゆらゆらと揺れるような変イ長調。この調の選び方もベートーヴェン風。コデッタでは喜ばしく呼び交わすようなフレーズも現れます。最後はハイドンやモーツァルト風にハ長調で曲を閉じます。
 第2楽章は、シューベルトらしい歌謡風な緩徐楽章です。穏やかで優しいテーマの主部と、少し荒っぽい短調の中間部が対比されています。
 第3楽章は、スケルツォ。変ホ長調ですが、半音階が効果的に使われているので調性が揺らいでいます。ベートーヴェンの初期のスケルツォを思い出させます。中間部は舞曲風の楽しげな雰囲気で和ませます。
 第4楽章は、フィナーレ。ハ短調で始まりますがハ長調で華やかに終わります。短い序奏から短めの第1テーマとなり、繰り返されながら確保されると、ちょっと明るい変ホ長調の第2テーマが刻むテーマに乗って現れます。コデッタはむしろ愉しげな印象です。展開部は第1テーマのリズムが生かされます。再現部の第2テーマからはハ長調になって最後は明るく肯定的に終止します。

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音符第6番 ハ長調音符

「ザ・グレート」ハ長調との比較で「小ハ長調」と呼ばれることがあります。
 この曲は5位にありますが、4位との差は結構大きいものがあります。全体の構成が過渡的な感じ、悪く言えば中途半端であり、冗長なイメージがあります。あまり演奏会のプログラムにのらないのもアルバムに収録されないのもその辺に原因があるのでしょう。また、オーケストレーション的にも、フルートの高音部が多用されるために響きが美しくない憾みもあります。

しかしながら、シューベルト特有の明るさや気楽さといった点は保たれており、そこに彼の魅力を感じている方には興味深い曲であるはずです。

第1楽章は、少々大げさなゆっくりした序奏で始まります。主部に入ると、ハイドンの交響曲第100番「軍隊」第1楽章の第1テーマを思わせるような軽快な第1テーマがフルートで始まります。第2テーマはリズミカルな弦の伴奏にのってやはり木管楽器で登場します。全体として管楽器が活躍します。展開部・再現部を経て最後はテンポアップして曲を終わります。
 第2楽章は、ヘ長調の緩徐楽章です。冒頭の愛しむようなゆったりとしたテーマと、3連符を特徴とした活動的なテーマとが交互に現れます。
 第3楽章は、スケルツォ。主部はベートーヴェンの交響曲第1番第3楽章のスケルツォとなんとなく似ています。中間部は長く伸ばした音から始まる民謡風な音楽になります。
 第4楽章は、フィナーレではあるのですがテンポはアレグロ・モデラートという指定であり、ちょっとのんびりした感じの最終楽章になっています。テーマ的に特徴はあまりありませんが、コデッタで登場するフレーズが面白い。第2テーマの低音部にも現れた付点リズムと引き伸ばす音が鄙びた懐かしい感じで本楽章中のアクセントになっています。盛り上がりますが最後まで一線を越えることなく、という感じのまま全曲を終わります。

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番外となったのは第3番以前の交響曲ですが、これらも完成度やオリジナル性を度外視すれば精神はシューベルトそのものであり、彼の曲が好きになってきたら是非聴いていただきたいと思います。